JES社長の 翻訳業界「徒然草」

技術翻訳会社 ジェスコーポレーション 社長が語る ”情報随筆”

微妙に違う和製英語とまったく通じない和製英語(その15)

ネームバリュー
日本語の「ネームバリュー」は「知名度」や「名声」に近い使われ方をしているので、それを英語で言うと、“name recognition” 「名前の認識度」つまり「知名度」、 “established reputation” 「確立された評判」つまり「名声」となります。

英語にも、”good brand value” もしくは、”high brand value”という言葉があります。これはまさに日本語の「ネームバリュー」に近いのですが、「企業や組織」に対してのみ使われる言葉であって、「個人」に対しては使われていません。したがって、その点が日本語の「ネームバリュー」とは異なります。

「ソニーにはネームバリューがある」
“SONY has a high brand value.”


ハーフ
日本語ではよく「彼女はハーフだ」などという言い方をします。そこでこの「ハーフ」をそのまま使って、”She is a half.” などと言うと非常に問題が出てきます。

英語のネイティブによると、”half” には、”less than one”というイメージがあるそうです。 「1に満たない」つまり日本語で言う「ちょっと足りないヤツ」とか「半端者」というようなイメージでしょうか?

また、”half-breed” という言葉を連想させるようです。この言葉を、“LONGMAN Advanced American Dictionary” で調べてみました。

(TABOO) “someone whose parents are of different races, especially one white parent and one Native American parent. Do not use this word.


(忌み言葉)「異なる人種の両親を持つ人、特に片親が白人で、もう片親がアメリカ先住民である場合。この言葉を使ってはいけない」

結局「彼女はハーフだ」を英語にしたいときはどうするか、と言うと下記のように言えば問題ないそうです。

“She is half-American, half-Japanese.”


ピエロ
“pierrot”
はフランス語で、「パントマイムの道化役」を意味するようです。英語では、”clown” と言います。

この “clown” という言葉は、サーカスの「ピエロ」という意味のほかに、“class clown”と使えば、「クラスのひょうきん者(お調子者)」というような、良い意味も持っていますが、一方で「愚か者」「無能なヤツ」という悪い意味も持っています。

「ヤツは無能だ。このプロジェクトを任せてはいけない」
“He is a clown. Don’t let him take care of this project.”


ビラ(配布物)
広辞苑で「ビラ」を調べてみると、「 bill の訛。宣伝広告のため、人目につく所に張り出したり通行人に配ったりする紙片、ちらし」とありました。

英和辞典で “bill” を調べてみると下記の例が出ていました。

「ビラをはる」 “post (up) a bill”
「張り紙お断り」 “Post No Bills”

この他にも「ビラ」の訳としては、"flier (flyer)" , "handout", "placard", "notice", "leaflet", "poster" などもあるようです。

ホーム(鉄道駅の)
駅の「ホーム」はもちろん英語では “platform” ですね。日本語を習いたての外国人によると、日本の駅ではよく「ホーム」という言葉が構内放送で多用されるので、「家がどうした?」と混乱するそうです。

ボディチェック
“body search”, “frisk”, “security check”
と言います。動詞で使うときは、”search”“frisk” を使います。

「警備員にボディチェックを受けた」
“I was frisked by security.”
“I got a body search by security.”


「警官は彼をボディチェックした」
“The police searched him.”


マイペース
和英辞典によると「マイペース」は“one's own pace” となっています。ある英国人に「日本語のマイペースとはどういう意味か?」と聞かれたので、広辞苑で調べてみると「周囲を気にせずに自分にあった進度で物事を行うこと」とありました。

するとその英国人は、
“99% of British people work at their own pace.”

「英国人の99%は、マイペースで仕事をする」と言っていました。

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丸山 均

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